この記事を読んでいただきたい方:
自宅やアパートで使っている鉄骨ベランダがギシギシする・・。なぜ?大丈夫?と心配なオーナー様のお役に立てる記事です。鉄骨ベランダの「ギシギシ腐食」に関して想定される原因や解決方法を知ることができます。
ベランダはどの建物にも付いている、生活において欠かせない存在です。しかし、ベランダはその特性上「外部(室外)」にあるので風雨に晒されて時間とともに経年劣化します。この記事では鉄骨ベランダで起こる腐食トラブル、特に「ギシギシ腐食」に関して予想される原因と解決方法を実例をご紹介しながら解説します。
鉄骨ベランダのギシギシ腐食はよくある?
ベランダは洗濯物や布団を干す役割があるので建物の外側に設置されますね。屋外設備ということは風雨による経年劣化はつきものです。ギシギシ腐食はこの経年劣化による症状のひとつで、主にベランダの床面を支える下地の鉄骨フレームが錆びてしまっていることが主な原因です。
ベランダによって床面がモルタル(コンクリート状)だったり、樹脂(プラスチック)のスノコ材であることが多いですが、どちらも隙間やクラックから雨水が浸入することで、鉄骨が錆びてしまいます。
ギシギシ腐食になることが多い箇所は?
ギシギシと検索されるオーナー様で多いのは「床がギシギシする」というお悩みかと思います。また、腐食によって手すりや柱の部分がギシギシすることもあります。※本記事ではベランダ床面の症状について触れております
床面がギシギシする原因はベランダ床を支える鉄部の腐食であることが多いです。つまりギシギシ腐食になることが多いのは「ベランダ床面の内部(下部)の鉄骨」といえます。
床がモルタルであっても放置していると経年劣化してクラック(ひび)が生じて雨水が浸入して内部の鉄骨を錆びさせてしまいます。
スノコ材であれば隙間からつたって鉄部を腐食させることがあります。
どちらのケースでも厄介なのは、この腐食錆びが広がってベランダの構造部まで浸食されていくことです。床が抜け落ちててしまうリスクのほか、ベランダ自体が倒壊してしまう危険性を帯びてきてしまうのでご注意ください。
また、ベランダの床スノコでよく使用されている樹脂製スノコは下記のような製品です。
床面ギシギシへの腐食対策は?
すでに症状が始まっている場合は腐食した鉄骨を補修することが必要です。ベランダの床面構造によって対策工事は異なりまして、モルタル床であればモルタルを支えるデッキプレートという凸凹形状の鋼板を溶接補強します。スノコ床であればスノコを外してから支えとなっている鉄フレーム(根太材)を溶接補強します。
また、上記のような症状を未然に防ぐ対策としては「雨水の浸入ルートを抑止」することをお勧めします。床面がモルタルであれば耐水(防水)工事を行って浸水腐食を防ぎます。防水方法としてウレタン密着防水や、長尺シート耐水工法があります。
参考:ベランダ床面がモルタルであったときの対策工事
たまに床スノコを木材で受けているベランダがあるのですが、木材の腐食は早く深刻になるこことがあるので人的被害リスクにつながります。早めの対策をお勧めします。
どこから専門業者の出番?
例えばベランダの物干しが外れたとか、目隠しや屋根で使っている波板材(ポリカーボネート)が台風で飛んでしまったなとか、床面のコーキングが部分的に破断してしまったなどは、器用なオーナー様ですとご自身でホームセンターで購入してDIY対応されたりするようです。
私どものような専門業者の出番は「人的被害(事故)」につながるトラブルである場合です。
床面がギシギシする原因のほとんどは、床を支える鉄骨腐食が原因であり、この補強は私ども専門の施工店にご相談いただければと思います。ときどき木材でつっかえ棒のように応急処置されている建物がありますが大変危険です。居住者様の転落事故ニュースも過去にありました。鉄骨トラブルは鉄骨専門店が一番適切な工法を知っています。餅は餅屋、です。
まとめますと、ベランダのギシギシ腐食を防ぐためには適切なメンテナンスと予防策が欠かせません。これらの対策(ときにDIY、ときに専門店工事)を講じることで、快適な居住空間を維持したり、居住者様の安全を確保できるだけでなく、鉄骨ベランダの寿命も延ばすことができます。