この記事を読んでいただきたい方：
鉄骨の階段段板がサビで外れてしまった場合の対処法を記載しています。段板の欠落を修理できるかを調べているオーナー様向けの記事です。
鉄骨階段の現状（鉄骨サビ度：★★★★☆）
「段板が外れたので、急いでロープで吊りあげたのですが・・」と緊急修理のお問合せ。調査に伺うとたしかに鉄骨階段の段板がサビて外れていました。段板を受けるアングルピース材が錆びて機能を失っています。この段板を踏み抜いて利用者が怪我をしたら事故扱いです。オーナー様の管理責任を問われる賠償問題になってしまいます。
鉄骨階段の修理方法：
アパートで使われる鉄骨階段は鋼材のシンプルな組合せです。シンプルだからこそ「パーツ別に修理できる」のが利点といえます。今回の鉄骨階段では、緊急補修が必要なのがササラ桁と段板ですが、他のパーツ（手すりや屋根鉄骨）は既存のまま再利用します。利用者の「怪我トラブル」が発生する前に急いで改修工事をします。
この工事の相場費用について：
鉄骨の腐食ダメージの具合や工事条件がまちまちであるため、工事費用も現場ごとに異なります（現場調査が必要です）。お見積依頼等お気軽にお問合せください。
段板が取れてしまった！！と緊急のお電話
現場調査をして思わずゾっとしました。外れた段板をロープで吊っています。
「修理の見積を・・」と言っている場合ではなく、とにかく緊急工事をしないと入居者様や、配達員さんなど、階段を使う人たちがかなり危険です。もし怪我人が出れば、オーナー様に賠償責任が発生します。
賠償責任の危険性がある鉄骨階段も、補修で再生できる
サビによって老朽化したササラ桁は段板を支えきれず、段板の片方が外れて宙に浮いてしまったのです。段板とササラ桁の間に「すき間」ができて、水が浸入するとさらにサビが加速します。段板はどんどん外れていきます。
そして、段板を支えるアングルピースもサビによって溶接が取れて、外れてしまっています。このことで段板はササラ桁と接合されなくなったので、段板がそっくり落ちる可能性があります。こうなると、もし利用者が段板を踏み外れて怪我をしたら、賠償責任の発生する大問題です。
しかしながら、ここまでの危機的状態でも鉄骨階段は丸ごと交換しなくても大丈夫です。
アパートの階段はとてもシンプルなパーツの組合せで作られており、問題のパーツのみを交換すれば再生が可能です。
腐食したパーツだけを交換する、鉄骨設備のたくましさ
鉄骨階段を丸ごと新しくしようとすると入居者様の生活の問題（階段が一時期使えなくなる）と費用の問題（解体費用や基礎工事費などの付帯費用）が発生します。オーナー様としてはできるだけ避けたい状況です。
上記のような事情から、でアパート階段の改修に求められるものは「交換」ではなく「延命修理」だと思いませんか？
この鉄骨階段では「手すり」や「屋根」はまだ再利用が可能であったため、腐食したーツ（ササラ桁と段板）だけを工場で新しく作って、既存のパーツと取り換える修理方法をとります。
・新しく作った階段鉄骨（ササラ桁と段板）
・既存鉄骨（手すりと屋根）
この２つの鉄骨を溶接で組合せれば、工期も最短で鉄骨階段は再生します。
これでオーナー様のひと安心。無事に鉄骨階段の継続利用ができます。また、このページで紹介した修理方法の大規模版は下記の工事です。
ちなみに、今回の修理工事では、段板をモルタル式からチェッカープレート式に変更しました。モルタルタイプに比べると通気性もよく、雨はけも良く、今後のメンテナンス性も高いです。
鉄骨階段はたいていのケースで再利用（延命修理）ができます。アパートオーナー様には安心して鉄骨階段の継続利用をしていただけます。
現場調査はしたときは、さすがにゾッとした光景でしたが、無事に補修工事で対応できました。オーナー様にもご満足いただけました。よかったです。