この記事を読んでいただきたい方:
ご自宅の鉄骨階段が老朽化でグラグラして不安な方に読んでいただきたいです。階段の維持年数によっては交換せずに延命補強で乗り越えられるかもしれません。
この工事の相場費用について:
鉄骨の腐食ダメージの具合や工事条件がまちまちであるため、工事費用も現場ごとに異なります(現場調査が必要です)。お見積依頼等お気軽にお問合せください。
目次
グラグラする鉄骨階段、交換せずに済む条件がある
長年お手入れをしてこなかった鉄骨階段が、グラグラしてきていよいよピンチ。階段を交換できないかとご相談をいただきましたが、以下2つの理由で延命修理をご提案しました。
1.ご自宅の階段なので、第3者は使用しない
2.残りの使用年数が短い
もう少し詳しく説明します。「ご自宅の階段」は、アパート等の鉄骨階段と違って「複数の方の使用がない」です。つまり、郵便配達の人や居住者様のご友人など、階段劣化の事情を知らない人が往来するアパート等の階段では、何かトラブルが発生すれば賠償責任になりますが、ご自宅で家族の方しか使わないとなれば、トラブルがあっても「自己責任」の範疇です。
また、「階段をまだ長く使う」となると、急拵えの修理工事では効果を維持できないことがありますが、今回のご相談では「残りの使用年数が少ない」ことがわかりましたので、それまで安全に使える延命修理工事をご提案した・・というわけです。
ご相談の鉄骨階段のグラグラは「ささら桁と段板の溶接が取れかかっている」ことが原因でした。原因がわかってしまえば的確な延命修理ができます。
補修を開始します。最初に「ボロボロ状態のささら桁」に対して補強鉄骨を溶接します。その次に「新しい段板」を溶接すれば、階段は鉄骨強度を持ち直します。
手すりはまだ使えそう(残り使用年数から逆算して)なので、こちらは再利用したまま「補強されたささら桁」と改めて溶接し直せばOKです。
専門業者だから知ってる「ご長寿階段」の秘訣
途中でカーブしながら螺旋状になる段板の写真(工事前)です。
工事前は段板(鉄板)の上にモルタルを塗り、さらに木の板を乗せるという、場当たり的な対処で使っていたようですがもう限界・・。
補修方法としてはまず、ボロボロの段板を撤去して「段板フレーム(下地の鉄骨)」をむき出しにします。このフレームもかなり老朽化していたので、新たなフレーム鋼材を使って溶接補強します。※赤茶色の鉄材が補強で使われたものです
段板を撤去する時が下地(フレーム)補強の絶好のタイミングなので、この機会を逃さず補強しておくことが「ご長寿階段の秘訣」です。
補強されたフレームの上に、新たな鉄板を溶接して交換しました。これで安心して昇り降りできます。
同じ階段なのに別物のような安定感ができました。交換工事を覚悟しておられたオーナー様にも安心していただけました。もちろん工事費用も節約できます。
小さな柱(つっかえ棒)を増設して安全を確保する
補強した階段に「グラグラ防止のための鉄柱」を増設しました。
柱といっても骨太なものではなく、細いつっかえ棒のような簡易的な役割ですが、この柱の有無で歩行の安心感が違います。足元は土間にアンカー固定。
グラグラの階段でも修理すればまだ使えることが多い
鉄骨階段がグラグラする理由は、ささら桁の腐食や溶接劣化、構造的な強度ダウン、付帯設備の老朽化など、多岐に想定されるので、事前の調査が必ず必要です。
調査結果で得た原因を解決する補強工事だからこそ、高い延命効果が得られます。
どんなに階段がグラグラ・ボロボロでもまずはご連絡ください。交換を回避できかもしれません。また、交換となっても工事費用を落とした工法をご提案します。
当社は鉄骨の専門業者ですから、技術も経験もアイデアも「産地直送」です。きっとオーナー様のお役に立ちます。